ある歯が虫歯になったとします。10歳くらいから上の人は、ほとんどの歯と歯の間の接触点から虫歯は始まります。歯と歯の間ですから歯垢(汚れ)は、両隣の歯の面は同じ汚れです。でも、ほとんどは一方の面に虫歯ができます。歯の汚れは歯と歯の間の接触点よりも歯の生え際(歯肉との境目)にずっと多くつきやすいものです。
でも、虫歯はそれほど汚れのない接触点直下、それも片面に起こります。これはそこに“かみ締め”を中心とする“力”がかかり、目に見えないヒビができて、そこに虫歯菌の侵入が起こることで虫歯が大きくなって行きます。
力によるヒビがなければ、余程長い間多量の汚れ(虫歯菌のかたまり)がなければ、虫歯にはなりません。
また、下顎の前歯の裏の生え際が1番汚れが付きやすいのですが、そこに虫歯ができることは、ほとんどありません。なぜならかみ締めの被害に合わないのでキッカケのヒビができにくいからです。
接触点直下の一方の面に細かいヒビがあっても、完璧に“汚れ”がなければ、虫歯にはならないでしょう。
そのためには遺伝要因も大きいですが、毎日歯と歯の間にフロスを通す必要があります。歯ブラシでそこを綺麗に磨くのは無理でしょう。・・・ほとんどすべての人に夜間を中心とする“強いかみ締め”があります。
他の歯ではなく、その歯に大きな“力”がかかるバランスの悪い「強いかみ締め」があるのです。この“力”を多くの歯に分散する「バランスの良い咬み合わせ」に近づけていくことが問題の解決方法のはずです。
咬み合わせは、様々な要因から一生少しずつ変化していきます。この咬み合わせのチェックこそ定期検診の目的であるはずです。
歯周病は、歯ぐきの病気ですから、歯と歯ぐきの境目の“汚れ”と“その歯にかかる圧力”が原因です。
つまり、歯の隣接面と歯ぐきとの境目以外の汚れは、為害作用はほとんどありません。