虫歯や歯周病にならないためには「丁寧に歯を磨くのが一番大事」だというのが一般的な考え方です。
しかし、それは一面的なものでしかありません。
虫歯のほとんどは、歯と歯の間(隣接面)の接触点直下にできます。
なかなか歯ブラシで磨くのはむつかしいので、フロスを通すのが効果的です。
しかし、“力”による細かいヒビが、そこにないとなかなか虫歯菌の侵入はむつかしいのです。
・・・歯と歯の間の片方に虫歯ができることが多いのは、虫歯ができる側に小さなヒビ(クラック)があったからです。
歯周病は歯肉の病気。つまり歯ぐきから離れたところのプラークは無関係です。
・・・歯ぐき寄り(目標、歯と歯ぐきの境目のスキマの中1ミリ)を磨くと、嫌でも全体が磨けますが。
歯周病になるのは歯と歯の間の接触点直下、歯と歯ぐきの境目のスキマの中です。
・・・ですから、ほとんどの歯磨きは、あまり効果が上がっていないのです。
お勧めは「1本、1本縦磨き法」です。
・・・体質・口呼吸など条件の悪い方は、ホントに頑張ってください。出来れば当院のマウスピースで口呼吸を減らしていくことも大きいと思います。
耳鼻科での鼻洗いは一時的なものです。
虫歯も歯周病も体質(遺伝要因)によって、なり易さが大きく変わります。
・・・プラークの付きやすさも、体質と口呼吸による歯肉の乾燥で大きく変わります。
・・・遺伝要因が良好で、鼻呼吸が確立しサラサラ唾液が歯をいつも濡らしているなら、そもそも歯にあまりプラークは付きません。(付いても下の前歯の裏の生え際くらい。・・・そこは嚙みしめ圧がかからないので悪くなりにくい。)
少し極論するなら、「ほとんど歯に汚れがついてませんね。キレイです。」・・・そういう方は、遺伝要因が無く、鼻呼吸が完全で、サラサラ唾液が多く、・・・・そんなに歯を磨かないでもキレイが保持できている。
丁寧に歯を磨いているからキレイなのだ、ではないかもしれません。
そういう方が歯を失うとしたら、毎晩の嚙みしめ圧の偏在による“力”で1本・1本弱ってくることが原因でしょう。
ですから、口呼吸と強い嚙みしめ圧の偏在対策として、夜間のマウスピース使用は大きな武器となります。
ただ、どんなマウスピースでも効果があるわけではなく、微妙な定期的なメンテナンスが欠かせません。
呼吸が楽で眠りの質が良くなり、顎のずれ(顔つきの非対称)が緩和し、鼻呼吸の確立、歯の負担が減って長持ちするなどの利点を考えると、「定期的に歯のお掃除に来てください。」とは、次元の違うことだと思います。