久しぶりに読み応えのある本に出会えました。
ここ20年ほど前からでしょうか?とても読めない、変わった名前が増えて、子供が苦労するだろうなと思っていました。この本では、
奈良、平安時代からの「漢字」と「かな」の成り立ち。明治以前の「漢字」が1部の知識人のものであった時代。
明治以前の正式文章は、ほとんどの人にちゃんと読めないものです。それで言文一致の運動が起こりました。
戦後、欧米列強に遅れを取り戻すため、戦後、GHQの指導もあって「漢字」を廃止することが決まり、急に廃止も混乱を招く恐れがあるので取り敢えず1850の漢字を認め当分の間使うことにして、それで当用漢字というそうです。しかし、やはり漢字廃止は暴論であるとの方針転換がなされました。志賀直哉が「日本語を止めて、フランス語に」という今から思うと無茶苦茶な意見を言ったとか。
韓国のハングル文字、中国の簡易漢字・・・それらと比べると日本語の常用漢字とかなのコンビネーションは素晴らしい。
ただ、人名使う漢字には規制が甘く、漢字の本来の意味・歴史がなおざりにされるのは、はかない気持ちになります。